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小樽ゲストハウスハーベスト|Otaru Guesthouse Harvest

〒047-0036 北海道小樽市長橋1-2-3
0134-27-9736
info@otaru-harvest.com

カーナビは電話番号ではなく、住所またはマップコード(164718777*3)をご使用ください

ハーベストの本棚:第3回『自殺島』(1~6巻)

      2016/02/11    小樽総合デザイン事務局

小樽ゲストハウスハーベストにある本を紹介するハーベストの本棚

こんにちは、小樽総合デザイン事務局の中村です。

ゲストハウスハーベストにある本を紹介する「ハーベストの本棚」。
第3回は『自殺島』です。
既刊14巻(2016年2月現在)で、ハーベストには6巻まであります。
ネタバレになるとアレなので、今回は2巻くらいまでを紹介します。

自殺未遂を繰り返す主人公セイ。
運び込まれた病院で、彼は「生きる権利を放棄する書類」にサインをし、死を選びます。

ところが、次に彼が目を覚ますと、そこは南方の無人島でした。
周りには、彼と同じように運ばれてきた「未遂者」たちが数十人――。

未遂者たちが次々に命を絶ってゆく中、セイを含む一部の人々は、死の誘惑に囚われながらも生きていく道を模索し始めます。

 

自殺島と呼ばれる島

自殺未遂の常習者が送られてくる島です。
国ではもう面倒見切れないけど安楽死させるのも手間だから島で好きにやってね!ってことです。
本国では死亡扱いになってるそうです。
ちなみに島から出ようとするとデカイ船がやってきて海の藻屑にされます。
うん・・・安楽死させるより手間がかかってる気がする・・・。

島にはかつて人が住んでいたようで、家屋や学校などの建物が残っている他、食べられる植物も多数自生しています。
また、漁具も多少残されているので、漁もできます。動物もいます。
つまり、本気で生きようと思えば、何とかならないこともないんですね。実に絶妙な加減です。

 

サバイバル

何とかなるといっても、そこは無人島。
電気も水道もありません。

彼らは沢から水を採取し、自生するバナナを食べ、残されていた漁具で苦労しながら魚を獲る生活を送ります。
文明社会で育った現代人にとって、それは過酷なものです。

島での生活に絶望し命を絶つものも後を絶ちません。
病院はおろか、薬もないので怪我で命を落とすものも現れます。

生き残った人々は、少しずつ数を減らしながらも、何とか知恵を出し合って、生きる道を探します。

このあたりのサバイバル描写は、ストーリーを抜きにしても純粋に面白いです。
登場人物たちの発言がやたらとネガティブなことを除けば、鉄腕DASHとあまり変わりません。
メンバーをTOKIOにすればダッシュ島の出来上がりです。島の形もちょっと似てるし。

 

社会の形成

さて、人々が協力し合って生活を始めるということは、つまり社会の形成されるということ。
そして、小さいながらも社会が形成されると、そこには自然と序列が生まれます。

リーダーとして皆を引っ張るもの。
体力のあるもの。
知恵のあるもの。

そういった能力のあるものは立場が強くなり、そうでないものは当然立場が弱くなります。

ある日、セイは仲間から「君も僕と同じように何も持っていない」と言われ、ショックを受けます。
リーダーシップもない、体力もない、頭がいいわけでもない。
そして、気力を失いかけたセイの前に、数頭のシカが現れます。

セイはその圧倒的な生気と存在感に、呆然とします。

生きることを諦めている自分と、ただ純粋に、生きるために生きているシカ。

セイはその生気にもう一度触れようと、弓を自作し、シカを追うために山に入ります。

 

鹿猟とカウンセリング

ひとり山に入ったセイ。
いくらサバイバル生活に慣れてきたとはいえ、山はやはり甘くはありませんでした。

山に入った最初の夜、セイは闇の中で足を滑らします。
幸い地面はすぐそこで転倒することもありませんでしたが、そのわずか数秒の出来事が彼に恐怖心を与えます。

シカを狩るために山に入ったのにこんなことで恐怖を覚えていて、一体自分は何をしに来たんだろうか?
いや、その前に自分にできることなどあるのだろうか?
今までなにもできなかったのに。
今までなにもしなかったのに。

そんな思いが頭を駆け巡ります。

自分は変わったのだと自らに言い聞かせるセイ。
しかし、一度芽生えた自分への疑念はなかなか払拭されず、彼は自問自答を続けながらシカを追い続けます。

なにもできず、なにもしようとせず、ただ死のうとしていた自分が、純粋に生きるために生きているシカを殺してもいいのか――

最後の最後まで葛藤し、そして彼はシカを殺します。

 
このくだりはアレですね。
小野不由美さんの小説『月の影 影の海』を思い出しました。
『月の影 影の海』は人気異世界ファンタジー「十二国記シリーズ」の第1作。
よくわからないままファンタジーな世界につれてこられた主人公が、行く先々で迫害されたり人に裏切られたりするお話。
主体性がなく実生活で何もしてこなかった主人公が、極限まで追い詰められ、自問自答の末這い上がっていく様は、まさにカウンセリングであると専門家に評されました。

自殺島もそれと同じ構図です。
セイは自らの内面と向き合い、そしてシカを殺すことで、生きることについての自分なりの答えに辿り着きます。

この一連の描写はとにかく圧巻です。
自分が生きる意味を自問するセイと、生命力にあふれ、ただ生きるために生きるシカの美しさの対比がすごい。
シカを追う間、セイとシカの間には常に距離があります。
それは物理的な距離だけではありません。
シカたちは光の中にいて、セイはそれを影から見ている。
住んでいる世界そのものが違う。
そういう印象を読者にも与えます。

しかし、セイがシカを射ることで、それが間違いであることに気付かされるわけです。
シカとセイとの間には壁も境界線もなく、彼らは紛れもなく同じ世界に立っている。
そして一方は死に、もう一方はその死のおかげで命をつなぐ。
セイ(読者も)は、自分もまた自然の一部であることを思い知ります。

生きることを決意するセイ。
この体験のあと、彼は少しずつ、前に進み始めます。

続きはぜひハーベストにて。

 

おわりに

いかがでしょうか。
まあタイトルどおり非常に重い話ですね。5トンくらいあります。重い。
暗いお話が苦手な人にはちょっとオススメしづらいです。
ただ、鹿猟のエピソードは本当に面白いので、そこまででも読んでみてほしいなーと思います。
鹿猟は2巻なので、1泊のお客様でも読めますよ!

ちなみに作者の森恒二先生は、身長183cm・体重90kg前後、元ヤンキーで格闘技愛好家です。
なんでこんな重い話描いたんでしょうね!

以上、中村でした。

小樽総合デザイン事務局

 

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